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「土屋利直宛消息」

小堀正之

  • 「土屋利直宛消息」
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作家名
小堀正之
作品名
「土屋利直宛消息」
寸 法
本紙:30.2×42.4cm
総丈:109.0×51.1cm
手 法
紙本・墨
備 考
【読み】
   尚々、いつも可被罷寄由忝存候
   まヽ、重而可得御意候まて候、
   頂□いたし給候、以上、
貴札拝見并茶碗御見せ被越候、
高麗にてハ可有御座候へとも、随分
いやふ物にて御座候、清三郎とヽや
茶碗之手と申由、我等目二ハ
とヽや茶碗の手とハ相い不申候、
併清三郎脇二とヽや茶碗と申を
見申候は不存候、拙者方二御座候とヽやノ
手とハ違申候、我等とヽやハ清三郎
見申間敷と存候、則返進いたし候、
恐惶謹言、
       まいる、           (花押)  
返ヽ清三郎目きヽ一知候、
              かしく、
       土民部少様   小備中守
             貴報


【註】
〇清三郎…唐物屋、片倉清三郎か。
〇ととや(斗々屋、渡唐屋)茶碗…高麗茶碗の一種。堺の商人魚屋によって
 朝鮮から輸入されたのでこの名があるといわれる。室町時代末期から佗茶の
 流行によって賞玩された。
解 説
小堀正之が土屋利直に宛てて、茶椀の鑑定に関する事柄を伝えた手紙。茶碗を鑑定して、高麗の茶碗ものではあるものの、斗々屋茶碗ではないとの見解を述べている。

※斗々屋茶碗は、高麗茶碗の一種。渡唐屋とも。堺の商人魚屋により朝鮮から輸入されたのでこの名を称した。室町時代末期からつづくわび茶の流行によって賞玩された。


小堀正之(1620-1674)は、江戸時代前期の大名、茶人。近江国小室藩2代藩主。幼名を雅楽、後に大膳、名は信、政俊。号は宗慶、成宗庵など。官位は従五位下、備中守。小堀政一(遠州)の次男として伏見にて生まれる。母は藤堂高虎の養女。
幼少の頃から父である遠州から茶道の手ほどきを受け、書を松花堂昭乗に師事。能書家として知られており、遠州の死にともないその跡を継ぐ。遠州の茶人としての業績をまとめ、遠州流茶道の基礎を築いたことで知られる。

土屋利直(1607-1675)は、江戸時代前期の大名。上総久留里藩の2代藩主。初代藩主・土屋忠直の長男として生まれる。慶長17年(1612)、父の死去にともない家督を継いで藩主となった。
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