「消息」
尊覚入道親王(一乗院尊覚)
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- 作家名
- 尊覚入道親王(一乗院尊覚)
- 作品名
- 「消息」
- 寸 法
- 本紙:34.6×52.0 cm
総丈:110.5×56.4 cm - 手 法
- 紙・墨
- 備 考
- ・画面左下に「尊覚」
・玄的…里村玄的。(1593年-1650年)江戸時代前期の連歌師。
・公方様… 後水尾天皇:108代天皇(在位: 1611年 - 1629年)。後陽成天皇の第三皇子。皇后は徳川秀忠の娘・徳川和子。尊覚入道親王と兄弟となる。
【翻字】
蜜柑之事御夢にて
御座候哉。玄的、是ニ居申
候間、めしつれ、後刻可致伺候候。
かしく
即辰
(返し書き)
「返〻先刻 公方様被仰候ハ、其方様
いかにもよき濃州柿を被下候と仰候。
送給候」
(結封墨引)御報 尊覚
【現代語訳】
蜜柑のことは夢なのでしょうか。
玄的(里村)がここにいますので、
召し連れて後刻、伺公します。
なお、
先刻、公方様(後水尾天皇)より、
いかにもよい美濃柿を下さるとの仰で、
いただきました。 - 解 説
- 尊覚入道親王(一乗院尊覚)(1608年-1661年)は後陽成天皇の第十皇子。慶長17年(1612)興福寺一乗院に入り、19年(1614)親王となる。のちに得度し、興福寺と清水寺の別当をつとめた。滝本流の書道を嗜んだ。