「墨竹図」
画:柳沢淇園 賛:亀田鵬斎
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- 作家名
- 画:柳沢淇園 賛:亀田鵬斎
- 作品名
- 「墨竹図」
- 寸 法
- 本紙:82.5×31.5㎝
総丈:159.5×44.0㎝ - 手 法
- 絹本・墨
- 備 考
- ・画面右下に「淇園」・印「字余曰公美」
・画面左下に賛「先生胸次墨三斗 吐作琅玕千丈竿 誰道儒生好□古
淇園獨肯瀟湘雲」・「鵬斎題」・印「長興之印」・「善身」
・『将軍吉宗とその時代展』(於、サントリー美術館・和歌山市立博物館/平成7年)
出品作品 図版№175
・『舊大名御藏品入札』目録掲載作品(於、東京美術倶楽部/昭和13年)図版№62 - 解 説
- 画面下部から2本の竹が上へと伸びる。竹の幹は一節ごとグラデーションのように下から上へと徐々に薄くなる。墨竹図は、淇園の得意とした画題で、その手による水墨画のほとんどが、竹を題材にしていることからも確認出来ます。
賛者である亀田鵬斎の生没年から、後から賛を附したことが確認出来ます。
また、本作は『将軍吉宗とその時代展』(サントリー美術館・和歌山市立博物館/平成7年)に出品された作品です。
賛者の亀田鵬斎(1752-1826) は、江戸時代後期の儒学者。名は長興、字は穉竜、号は鵬斎、善身堂。江戸の商家の生れで、井上金峨に学び、江戸の五鬼の一人に挙げられる人物。詩文や書もよくした知られています。
柳沢淇園(1704-1758)は、江戸時代中期の南画家、儒者。名は里恭、字は公美、通称権太夫、別号に竹渓など。柳里恭の名でも知られる。柳沢吉保の筆頭家老である柳沢保格の次男。画は、はじめ狩野派に学び、後に長崎派の吉田秀雪に師事した。長崎派の影響を強く受け、細密な写生と濃厚な賦彩による作品を数多く残している。また指や爪に墨をつけて描く指頭画を得意とし、特に竹を好んで描いた。指頭画の技法は淇園に師事した池大雅に影響を与えた。祇園南海、彭城百川等とともに日本文人画の先駆者である。