「百亀百鶴図(三幅対)」

池田孤邨

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作家名
池田孤邨
作品名
「百亀百鶴図(三幅対)」
寸 法
(三幅共に)
本紙:96.1×32.2cm
総丈:182.0×44.6cm
手 法
絹本・彩色
制作年
1850~1868年頃
備 考
・共箱
・藤田假名丸旧蔵
・百鶴図:画面左下に「孤邨三信寫」・印「三信」
・蓬莱図:画面右下に「孤邨三信寫於舊松軒」・印「三信」「久松軒」
・百亀図:画面右下に「孤邨三信寫」・印「三信」
・「鈴木其一 江戸琳派の旗手」展出品作品 図版№120
    (於、サントリー美術館・姫路市立美術館・細見美術館/2016~2017年)
・別冊太陽244『江戸琳派の美』(平凡社刊/2016年)掲載作品 P81
解 説
亀、鶴、蓬莱島はともに吉祥を表す画題で、新年を祝うのに相応しい三幅対である。
亀と鶴は実際に百匹いるわけではなく、その数の多さを以て百とみなされる。

抱一の『光琳百図』には同様の図様がある。また、同門の市川其融にも『百鶴百亀図』があり、抱一門下には親しい画題であったようだ。

左幅の刈田の間を流れる水の流れは、深い青の中に琳派に特有の金泥によって表現されている。右幅の亀の甲羅にも金泥が使用されているが、
こちらは金泥がしっかりと使われ,亀の甲羅を上手く浮かび上がらせている。
群れをなす、鶴と亀は離れて眺めると、なにか文字やデザインのようにも見える。


※池田孤邨(1803~1868)…江戸時代後期の江戸琳派の絵師。
酒井抱一の弟子で、兄弟子の鈴木其一と並ぶ高弟。文政年間前期の10代前半頃に抱一に入門、抱一の号の一つ「鶯邨」の1字から孤邨を名乗ったと推測される。
書画の鑑定に優れ、茶道を好み和歌に通じた教養人で、琳派の後継者を自認し、最晩年の1865年『光琳新撰百図』、『抱一上人真蹟鏡』を出版した。

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