森村宜稲(1871-1938)は、明治から昭和時代にかけて活躍した画家。幼名悌二、雲峰と号し、別に稲香村舎と号した。尾張藩の儒者森村宜民の子として名古屋に生れる。はじめ木村雲渓、奥村石蘭に四条派えお、後に土佐派に転じて木村金秋、日比野白圭に大和絵を学ぶ。
雪舟、探幽、田中納言、浮田一蕙を研究し、大和絵の手法を用いた丁寧で繊細な作風を開いた。文展、帝展を中心に活躍し、尚稲香画塾を開いて地元の文化振興に尽力した。弟子に、子の森村冝永、服部有恒、林雲鳳らがいる。