鍬形蕙斎 (1764~1824)は江戸時代後期の浮世絵師。初め北尾重政に学んで北尾政美と号した。兄弟弟子に山東京伝(北尾政演)がいる。
挿絵画家として世に出、江戸の鳥瞰図を描いて有名となった。
1794年に津山藩の御用絵師となった後は、狩野惟信に学んで鍬形蕙斎、または紹真と名のり、版画制作をやめ、肉筆画を多く描いた。
作風は狩野派以外にも、大和絵や琳派などといった伝統画法も広く習得しており、
『戯作者考補遺』(木村黙老著)で葛飾北斎、歌川豊国、歌川国貞らに並んで名前が載るなど、当時は高く評価された絵師であった。