「花鳥図」

酒井抱一

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作家名
酒井抱一
作品名
「花鳥図」
寸 法
本紙:147.8×49.5
総丈:231.3×64.5
手 法
絹本・着色
備 考
・画面左下に「抱一筆」・印「文詮」
解 説
連翹(れんぎょう)の花の周りを二羽の燕が飛ぶ、酒井抱一の描いた花鳥図である。
連翹は幾本かの幹が絡まるように斜め上へと伸び、その先端からは、垂れ下がるように花を付けた枝を伸ばす。
幹は、色を塗り、それがまだ乾かないうちに、他の色を加え、にじみにより独特の色彩効果を出す、垂らし込みという技法で表現されている。

酒井抱一(1761-1829)は、江戸時代後期に活躍した画家。姫路城主である酒井忠以の弟。幼名栄八、名は忠因。抱一のほか、屠竜、雨華庵と号した。酒井家は代々文雅の理解者が多く、兄・忠以(ただざね)も茶人・俳人として知られ、酒井家藩邸は一種の文化サロンのようになっていたという。37歳のとき、西本願寺で出家。以後、「抱一」の号を終生名乗る。
絵は狩野派のほか、歌川豊春のもと浮世絵美人画や、洋風画、長崎派、さらには円山・四条派や若冲などの画法に習熟した。
なかでも大きな影響を受けたのは尾形光琳で、文化12(1815)年光琳の百回忌を営み,『尾形流略印譜』や『光琳百図』などを出版した。
華麗な装飾画法を江戸風に解釈し、優美さと質実さを備えた江戸琳派を完成させた人物である。

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